前号のブログの末尾でアラキさんがチラッと触れてくれましたが、私アカザワは8月末から9月初めにかけて「親知らず」に苦しんでいました。せっかくブログを読んでくださる方にまで痛い思いをさせてしまうことは本意ではありませんので、詳細を書くことは差し控えますが、一言だけ…
「めっちゃ辛かった!」
歯に限らず、定期的に点検することは本当に大切なことだと身に染みた夏の終わりでした。
多少強引な感は否めませんが、点検つながりということで、今回のブログでは、アカザワが勤務する図書館の年に一度の点検作業、その名も「蔵書点検」の模様をご紹介します。
そもそも、「蔵書点検って何?」という方も多数いらっしゃると思います。
『最新図書館用語大辞典』によると、
「図書館の所蔵資料を点検し、紛失資料の有無や汚破損などの資料状態を把握する作業。資料管理のための業務の一つで、従来は、図書原簿または書架目録と所蔵資料を照合して行っていたが、現在は、コンピュータ管理による資料管理が普及したことから、配架されている資料のバーコードをスキャナによって入力し、それを所蔵データにつき合わせて不明となっている資料を抽出する方法が一般的である。特別整理ともいう。通常は、一定期間休館して行われる。(後略)」
とあります。
なんや分かりにくい。
ということで、もう少し分かりやすくご説明しますと???
図書館に配架している本は、図書システムに登録することによって、すべてコンピュータで管理し、所蔵データを作成しています。その所蔵データと、実際に書架に並んでいる本のデータを照合することで、行方不明の本がないか点検する作業のことです。すべての本を確認していくので、作業中に本の出入り(貸出?返却など)があっては作業の正確性が低下するため、休館して作業を行います。ただし、図書館利用への影響をできる限り小さくするために、夏季休暇中の利用の少ない時期を選んでいます。
皆さん。これだけは言わせてください。 夏休みに休館しているからといって、職員は避暑地や常夏のリゾートで休みを満喫しているわけでは決してないのです。それどころか、実は図書館職員にとって、蔵書点検は精神的にも肉体的にも非常にハードな業務(=わたしは密かに「修行」と位置付けています)なのであります。
それでは、具体的にどのような作業を行っているのか。手順は次のとおりです。
※写真内の職員はかなりラフな格好をしていますが、蔵書点検期間中の特別仕様です。悪しからず。
①周知
蔵書点検に伴う休館のお知らせを、学内掲示、図書館ホームページへの情報掲載、ポータルサイトでの情報掲載、教職員へのメール送信など、様々な方法で事前に周知します。
②書架にある本の所在確認をする
本に貼っている資料コードを1冊ずつ読み取っていきます。閲覧室に配架されている本の資料コードをすべて読み取っていく作業には膨大な時間がかかります。
一番上の段や一番下の段などに配架している本は、無理な態勢での読み取り作業になります。
また、大型の本、箱の中に入っている本、ぎゅうぎゅうに詰まっている段の本なども、読み取り作業に時間と体力が必要になります。
ちなみに、5日間の蔵書点検期間中、3日目あたりに辛さを感じなくなるどころか気分が高揚してくる瞬間が訪れます(我々はこれをRunners Highならぬ「蔵点’s High」と呼んでいます)。ですが、それもほんの一瞬のことで、一日の作業を終えた後は、やはり疲れしか残りません。
③所蔵データとの照合
行方不明になっている本がないか探したり、誤った場所に配架されている本を正しい場所へ移します。
この時点で見つからない本は「行方不明」と確定します。残念なことに、毎年何冊かの本が「行方不明」になります。
皆さんの中にも、OPAC(蔵書検索)の画面では「利用可」となっていて、図書館にあるはずなのに見つからない、という経験をお持ちの方がおられると思います。この場合は大抵が別の場所に誤って置かれていて見つけ出せないということが多いのですが、中にはどこを探しても見つからないものもあります。必要だから探しているのに、あるはずのものがなくて困る。このような事態が起こることを防ぐために蔵書点検はあるといえます。
④書架整理
見た目も美しく! 後期授業開始の時には、綺麗な状態でお待ちしています。
図書館の本は大学の「資産」です。その大事な「資産」をしっかりと管理し、足球即时比分や教職員、市民の皆さんに図書館を快適に利用していただくために、年に一度ではありますが、来年度以降も必ず蔵書点検を行うこと(=長期休館すること)をここに宣言いたします! 利用者の皆さまには休館中ご不便をおかけいたしますが、この場をお借りして、皆さまのご理解とご協力を改めてお願い申し上げます。
以上、今回の花金は、書架の一番上の段の蔵書点検をするのに肩があがらなくなってきた自分を「そんなはずはない!」と懸命に否定しつつも、「今年とうとう介護保険料を払う年齢になったんだから当然かあ…」と認めてしまったりと、非常に複雑な心境のアカザワがおおくりしました。
次回の花金は、CALL事務室に置いているDVDの蔵書点検を「肩があがらない…」なんて言うことなく、テキパキとお手伝いしてくれたヤノさんが担当です。お楽しみに。